ミックスボイスの出し方について、具体的な方法が分からず悩んでいませんか。多くの方が、ミックスボイスの練習を始めても、ミックスボイスが出た時はどんな感じなのか、その感覚が掴めずにいます。
また、ミックスボイスの出し方は簡単なのか、そしてその簡単な出し方はあるのかという疑問も尽きません。この記事では、ミックスボイスを見つけるにはどうすれば良いか、男性や女、また中学生といった様々な方に向けた具体的な練習曲や上達のコツを解説します。
ミックスボイスが気持ち悪い声になってしまう原因や、一生できないと感じる理由まで掘り下げ、憧れの歌手のように歌うための道筋を明らかにします。
この記事で分かること
- ミックスボイスの基本的な概念と正しい発声感覚
- 多くの人が陥りがちな失敗の原因とその具体的な対策
- 性別や年代に合わせた効果的な練習のコツ
- プロの歌手も実践する具体的なトレーニング曲とステップ
多くの人が悩むミックスボイスの出し方の基本
- まずはミックスボイスを見つけるには?
- ミックスボイスの感覚と出た時の感じ
- ミックスボイスの簡単な出し方はある?
- なぜミックスボイスは気持ち悪い声になるのか
- ミックスボイスが一生できない人の特徴とは
まずはミックスボイスを見つけるには?
ミックスボイスを見つける第一歩は、地声(チェストボイス)と裏声(ファルセット)の存在を正確に理解することから始まります。ミックスボイスは、これら二つの声が滑らかに混ざり合った中間的な声質を指すため、まずはそれぞれの声の特性と発声時の身体の感覚を掴む必要があります。
具体的な練習として、まずはリラックスした状態で裏声を出してみましょう。フクロウの鳴き真似のように「ホー、ホー」と、喉に力を入れずに息が多めに漏れるような優しい声を出すのがポイントです。この裏声の状態から、少しずつ地声の成分を足していくイメージを持ちます。
このとき役立つのが「エッジボイス」という練習法です。エッジボイスは、声帯を軽く閉じた状態で「あ゛あ゛あ゛」と、低いガラガラとした音を出す発声です。この声帯が閉じている感覚こそが、ミックスボイスに必要な要素の一つとなります。裏声に、このエッジボイスの「声帯を閉じる」感覚を少しだけ加えてみてください。すると、息漏れが減り、少し芯のある裏声に変化するはずです。これがミックスボイスの入り口となります。
ハミングも効果的
口を閉じて「んー」とハミングする練習も、ミックスボイスを見つけるのに非常に有効です。このとき、鼻の付け根や眉間のあたりがビリビリと響く感覚があれば、それは鼻腔共鳴が上手くできている証拠です。ミックスボイスは、この鼻腔共鳴を積極的に利用するため、響かせる場所を意識するだけでも声質は大きく変わります。
最初から完璧なミックスボイスを出そうと焦る必要はありません。まずは「裏声に芯を加える」「ハミングで鼻を響かせる」といった小さなステップを繰り返し、地声と裏声の中間に存在する新しい声の感覚を探求していくことが、最も確実な発見方法と言えるでしょう。
ミックスボイスの感覚と出た時の感じ
ミックスボイスが正しく出せている時の感覚は、一言で言えば「喉の力みがなく、声が頭や鼻の方向に抜けていくような感じ」です。地声で高音を出そうとすると喉が締まるような苦しい感覚に陥りがちですが、ミックスボイスではその圧迫感がありません。
具体的には、以下のような感覚が指標となります。
1. 響いている場所の変化
地声は主に胸や喉のあたり(チェストボイス)で響いている感覚が強いですが、ミックスボイスに移行すると、響きの中心が鼻の付け根(鼻腔)や眉間、さらには頭のてっぺん(ヘッドボイス)へと移動していくのを感じられます。まるで頭蓋骨全体がスピーカーのように鳴っているような感覚です。実際に歌っている時に、鼻のあたりに軽く手を触れてみると、振動を感じ取れることがあります。
2. 喉のリラックス感
高音域にもかかわらず、喉仏が過剰に上がったり、喉周りの筋肉が硬直したりする感覚がありません。あくびをしている時のように喉の奥が開いている状態(喉を開く)をキープしたまま、楽に声が出せます。声を出しているというより、腹式呼吸で送り出した息がスムーズに声に変換され、自然と口から出ていくようなイメージです。
WEBライター
「地声のような力強さがあるのに、裏声のように楽に出せる」というのが、多くの人が語るミックスボイスの最も特徴的な感覚ですね。この不思議なバランス感覚を掴むことが目標になります。
3. 声量のコントロールが容易
地声の場合、音程を上げると声量も自然と大きくなってしまいがちですが、ミックスボイスは声帯のコントロールが巧みに行えるため、高音域でもささやくような小さな声(ピアニッシモ)から、力強い大きな声(フォルテ)まで、声量を自在に調整できます。これも、喉に無理な負担がかかっていない証拠と言えるでしょう。
これらの感覚は、最初はなかなか掴みにくいかもしれません。しかし、練習を続ける中で一瞬でも「あれ、今楽に高音が出たかも?」と感じる瞬間があれば、その時の身体の使い方や響きの位置を忘れないようにすることが、習得への大きな一歩となります。
ミックスボイスの簡単な出し方はある?
残念ながら、誰でも一瞬で完璧なミックスボイスを習得できる魔法のような「簡単な出し方」は存在しません。ミックスボイスは、腹式呼吸、声帯のコントロール、共鳴腔の活用といった複数の要素が複雑に連携して成り立つ高度な発声技術だからです。しかし、習得までの道のりをショートカットし、感覚を掴みやすくするための「近道」となる練習方法は存在します。
その中でも特に効果的で、初心者でも取り組みやすいのが「リップロール(リップトリル)」です。
リップロールとは?
リップロールは、唇を軽く閉じて、息を吐き出すことで「ブルルル…」と唇を振動させるトレーニングです。これを行うことで、以下のようなメリットがあります。
リップロールの主な効果
- 呼気の安定: 唇を均一に振動させるには、一定の息の量を安定して吐き出し続ける必要があり、自然と腹式呼吸の練習になります。
- 喉の脱力: 喉に余計な力が入っていると、唇の振動がすぐに止まってしまいます。リラックスした状態を保つ練習に最適です。
- 声帯への負担軽減: 唇の振動がクッションとなり、声帯への過度な負担を防ぎながら発声できます。
このリップロールをしながら、地声の低い音から裏声の高い音まで、サイレンのように滑らかに音程を上下させてみてください。多くの場合、地声と裏声が切り替わる「換声点」と呼ばれるポイントで声がひっくり返ってしまいますが、リップロールを行うと、この換声点が曖昧になり、スムーズに音域を繋げやすくなります。この繋がっている感覚こそが、ミックスボイスの原型です。
他にも、「ネイ」や「ナイ」といった鼻にかかりやすい音(鼻濁音)を使って、同じように音階を上下する練習も効果的です。鼻腔共鳴を意識しやすくなるため、ミックスボイスに必要な響きを得る助けとなります。
注意点
これらの方法はあくまで感覚を掴むための「補助輪」です。リップロールで上手く繋がったとしても、すぐに歌で実践できるわけではありません。この練習で得た「喉の力みがない状態」や「息の支え」といった感覚を、実際の言葉やメロディの発声に応用していく地道な反復練習が不可欠です。
なぜミックスボイスは気持ち悪い声になるのか
練習の過程で、自分のミックスボイスが「弱々しい」「鼻にかかりすぎている」「キンキンする」といった、いわゆる「気持ち悪い声」に聞こえてしまうことは、多くの人が経験する壁です。これは発声のバランスが崩れているサインであり、主に以下のような原因が考えられます。
1. 鼻腔共鳴への過度な依存
ミックスボイスは鼻腔共鳴を利用しますが、意識しすぎるあまり、声のほとんどが鼻に抜けてしまうことがあります。これが「鼻にかかったような、こもった声」の原因です。歌手の平井堅さんのような、意図的に鼻腔を多く使うスタイルもありますが、基本的には鼻腔だけでなく、口腔(口の中)や咽頭腔(喉の奥)にもバランス良く響かせる必要があります。口をしっかり開けて、声を前に飛ばす意識を持つと改善されることがあります。
2. 声帯閉鎖が弱すぎる
裏声の成分が強すぎると、声帯の閉鎖が弱くなり、息漏れの多い「スースー」とした力のない声になります。これは、地声の持つ「芯」や「力強さ」が不足している状態です。前述のエッジボイスの練習を取り入れ、声帯を閉じる感覚を養うことが有効です。力強いけれども苦しくない、絶妙な閉鎖具合を見つける必要があります。
声帯閉鎖のチェック方法
声を出さずに息を「スー」と吐き続け、途中で息を「ッ」と急に止めてみてください。この時、喉の奥がキュッと締まる感覚があるはずです。これが声帯が閉じた状態です。この感覚を維持したまま、優しく裏声を出す練習をすると、芯のあるミックスボイスに近づきます。
3. 喉の開きが不十分
高音を出そうとすると、無意識に喉が締まってしまい、声の通り道が狭くなることがあります。これにより、細くてキンキンした、余裕のない声になりがちです。あくびをする時のように喉の奥を縦に大きく開く(軟口蓋を上げる)意識を持つことが重要です。鏡を見ながら、喉の奥にある口蓋垂(のどちんこ)が引き上げられるのを確認しながら発声練習するのも良いでしょう。
「気持ち悪い声」になるのは、成長の過程で必ず通る道です。自分の声を録音して客観的に聴き、どのバランスが崩れているのかを分析・修正していく作業を繰り返すことで、理想の声質に近づけていくことができます。
ミックスボイスが一生できない人の特徴とは
「どれだけ練習してもミックスボイスができない」と感じる方には、いくつかの共通した特徴や考え方の癖が見られることがあります。技術的な問題だけでなく、練習への取り組み方やマインドセットが上達を妨げているケースも少なくありません。
もし「一生できないかもしれない」と感じているなら、以下の点に当てはまっていないか確認してみてください。
上達を妨げる主な特徴
- 地声へのこだわりが強すぎる: 「高い声も地声で力強く出したい」という思いが強すぎると、喉に力を込めて無理やり音程を上げる「張り上げ発声」の癖が抜けません。ミックスボイスは一度裏声を経由するような、ある意味で「地声を捨てる」勇気が必要です。
- 感覚だけで練習している: 発声の仕組みを理論的に理解せず、ただやみくもに練習を繰り返している場合、間違った方法を続けてしまいがちです。腹式呼吸、声帯の働き、共鳴といった基本的な知識を学ぶことで、練習の質が格段に向上します。
- 短期間で結果を求めすぎる: ミックスボイスの習得は、スポーツのフォーム改造や楽器の練習と同じで、数週間や数ヶ月で完成するものではありません。身体に新しい筋肉の使い方を覚えさせるプロセスであり、年単位での継続的なトレーニングが必要です。
- 自分の声を客観的に聴いていない: 自分が感じている声と、他人が聴いている声には大きなギャップがあります。録音して自分の声の欠点を分析する作業を避けていると、効果的な改善策を見つけられません。
特に重要なのは、「張り上げ発声」の癖です。これは長年の歌い癖で染みついていることが多く、無意識のうちに喉を締めてしまいます。この癖をリセットするためには、一度プライドを捨て、裏声や息漏れの多いファルセットばかりで歌う期間を設けるなど、抜本的な改善が必要になることもあります。
WEBライター
「できない」のではなく、単に「正しい方法で十分な時間をかけていない」だけ、というケースがほとんどです。焦らず、基礎から一つずつ着実に積み上げていく姿勢が、結局は習得への一番の近道になりますよ。
決して「才能がないから一生できない」ということはありません。正しい知識に基づいた適切なトレーニングを、適切な期間継続すれば、誰でもミックスボイスを習得する可能性は十分にあります。
実践的なミックスボイスの出し方と練習のコツ
- 男性と女性で違うミックスボイスの出し方
- 中学生向けミックスボイスの出し方のポイント
- 参考になるミックスボイスの歌手一覧
- ミックスボイスのおすすめ練習曲を紹介
- 正しいミックスボイスの出し方【まとめ】
男性と女性で違うミックスボイスの出し方
ミックスボイスを習得する上での基本的なメカニズム(腹式呼吸、声帯閉鎖、鼻腔共鳴など)は、男女で違いはありません。しかし、元々の声帯の長さや厚さ、骨格の違いから、換声点の位置や声質が異なるため、練習で意識すべきポイントには若干の違いがあります。
男性の場合
男性は地声と裏声の差が比較的大きく、換声点(一般的にmid2G、G4周辺)がはっきりと現れやすい傾向にあります。そのため、最大の課題は「換声点での声のひっくり返りをなくすこと」になります。
男性向けの練習ポイント
- 裏声(ファルセット)の強化: 普段あまり使うことのない、息漏れの多い綺麗な裏声を出す練習を重点的に行いましょう。裏声のクオリティが低いと、ミックスボイスも弱々しい声になります。
- 低音域から丁寧に繋げる: 地声の成分が強いため、高音域でいきなりミックスしようとすると失敗しがちです。まずは地声の中音域から、徐々に裏声の響きを混ぜていくようなアプローチが有効です。
- 「ヘッドボイス」を意識する: 裏声よりも芯のある、頭のてっぺんで響かせるような「ヘッドボイス」を習得できると、地声との接続が非常にスムーズになります。
男性の場合、力強いミックスボイス(ベルティングボイス)を目標にしがちですが、まずはB’zの稲葉さんやOfficial髭男dismの藤原さんのような、地声と遜色ないパワフルなミックスではなく、スピッツの草野さんのような、より裏声に近い柔らかいミックスボイスから練習を始めると、喉への負担も少なく、感覚を掴みやすいでしょう。
女性の場合
女性は男性に比べて地声と裏声の差が少なく、比較的スムーズに繋げられる人が多いです。しかし、その反面、地声の響きが弱く、ミックスボイス全体が裏声っぽく、か細い声になりがちという課題があります。
女性向けの練習ポイント
- 地声(チェストボイス)の強化: 普段話している声が、息漏れの多いウィスパーボイス気味の方は、まずしっかりと胸に響かせる地声の練習が必要です。安定した土台があってこそ、力強いミックスボイスが生まれます。
- 声帯閉鎖の意識: 裏声に地声の「芯」を加えるため、声帯をしっかりと閉じる感覚を養うことが重要です。エッジボイスの練習が特に効果的です。
- 響きを前に集める: 声が頭の上だけに抜けてしまわないよう、鼻腔だけでなく、口の中(硬口蓋)にも響きを集め、声を前に飛ばす意識を持ちましょう。
目標としては、Superflyの越智さんや宇多田ヒカルさんのような、低音から高音まで芯のある声でパワフルに歌い上げるスタイルが参考になります。女性は特に、低音域の地声をおろそかにせず、しっかりと土台を作ることが、魅力的なミックスボイスへの鍵となります。
中学生向けミックスボイスの出し方のポイント
中学生の時期は、心身ともに大きく成長する大切な期間であり、特に男子は「声変わり(変声期)」と重なるため、ボイストレーニングには細心の注意が必要です。この時期に無理な発声を続けると、声帯を痛め、将来の声に悪影響を及ぼす可能性もあります。
しかし、声が不安定なこの時期だからこそ、正しい知識を持って練習すれば、柔軟な発声を身につける絶好の機会とも言えます。
声変わり中の男子へのアドバイス
無理は絶対に禁物
声変わりは、声帯が急激に成長し、炎症を起こしやすいデリケートな状態です。声がひっくり返りやすかったり、思い通りに出なかったりするのは当然のことです。この時期に大声で叫んだり、無理に高い声を出そうとしたりするのは絶対にやめましょう。歌の練習は短時間にとどめ、少しでも喉に違和感や痛みを感じたら、すぐに練習を中止してください。
この時期の練習は、高音域を攻めることよりも、発声の基礎を固めることに重点を置くべきです。
- 腹式呼吸のマスター: 歌の基本である腹式呼吸を徹底的に練習し、安定した息の支えを身につけましょう。
- 裏声の練習: 高い地声を出すのではなく、綺麗な裏声を出す練習をすることで、声帯に負担をかけずに音域を確保できます。
- ハミングやリップロール: 喉に優しいこれらの練習で、共鳴の感覚やスムーズな息遣いを養いましょう。
女子や声変わり後の男子へのポイント
声帯が安定している場合は、大人と同じ練習方法で問題ありませんが、中学生はまだ骨格や筋肉が発達途上です。そのため、最初からプロの歌手のような力強いミックスボイスを目指すのではなく、まずは綺麗で負担のない声を出すことを目標にしましょう。
WEBライター
好きなアーティストの歌を真似することは素晴らしいことですが、自分の今の声のレベルに合った曲を選ぶことがとても大切です。少し背伸びするくらいの難易度の曲で、着実にステップアップしていきましょう。
全体を通して言えるのは、この時期は「完成させる」ことより「土台を作る」ことを意識することです。正しい呼吸法と、喉を締め付けない楽な発声方法を身につけることができれば、高校生以降、声が安定した時に一気に才能が開花する可能性があります。焦らず、じっくりと自分の声と向き合う時間を持つことが何よりも重要です。
参考になるミックスボイスの歌手一覧
ミックスボイスを習得する上で、理想となる「お手本」を見つけることは非常に重要です。自分がどんな声を目指したいのか、目標が明確になることで、練習のモチベーションも向上します。ここでは、様々なタイプの美しいミックスボイスを操る日本の歌手を、その特徴とともにご紹介します。自分の好きな音楽ジャンルや目指すスタイルに合わせて、ぜひ彼らの歌を聴き込んでみてください。
声を「聴く」だけでなく、口の開け方や表情、ブレスの位置など、歌っている姿を映像で観察することも、上達の大きなヒントになります。
| アーティスト名 | ボーカルスタイルと特徴 |
|---|---|
| 藤原 聡 (Official髭男dism) | 地声と見紛うほどパワフルで突き抜けるハイトーンが特徴。非常に高いレベルの声帯閉鎖と共鳴コントロール技術を持つ、現代J-POPのミックスボイスの代表格。 |
| 草野 マサムネ (スピッツ) | 柔らかく透明感のある、裏声に近いシルキーなミックスボイスの使い手。力みを感じさせず、心地よく高音域を響かせるため、初心者でも目指しやすいスタイル。 |
| 秦 基博 | 温かみのある中音域から、切なく伸びる高音域までを滑らかに繋ぐ。硬すぎず柔らかすぎない、バランスの取れたミックスボイスのお手本。 |
| 川上 洋平 ([Alexandros]) | 軽やかで鋭い、やや細めのミックスボイスが特徴。英語の発音も相まって、スタイリッシュな高音を響かせる。ロック系のミックスボイスを目指すなら参考にしたい一人。 |
| 稲葉 浩志 (B’z) | 圧倒的な声量と耐久性を誇る、ハードロック系のパワフルなミックスボイス。ベルティングボイスとも呼ばれ、習得は非常に困難だが、多くの男性ボーカリストの憧れ。 |
| 越智 志帆 (Superfly) | 低音から高音まで、声質が変わらないままパワフルに歌い上げる女性ボーカリストの代表格。強靭な地声の響きを保ったまま高音域に移行する技術は圧巻。 |
| 宇多田 ヒカル | 息遣いが巧みで、ウィスパーボイスから力強いミックスボイスまで、表現の幅が非常に広い。特にR&B特有のフェイクやビブラートの使い方は秀逸。 |
これらの歌手の歌を聴く際には、ただメロディを追うだけでなく、「どこからが地声で、どこからがミックスボイスに切り替わっているか」「高音部分で声質がどう変化しているか」などを注意深く分析してみてください。耳を鍛えることも、ボイストレーニングの重要な一部です。
ミックスボイスのおすすめ練習曲を紹介
ミックスボイスの感覚が少しずつ掴めてきたら、次は実際の楽曲の中でその技術を使ってみるステップに進みます。ただし、いきなり難易度の高い曲に挑戦すると、すぐに喉を痛めたり、挫折してしまったりする原因になります。ここでは、比較的メロディラインが滑らかで、ミックスボイスの練習に適した楽曲をいくつかご紹介します。
選曲のポイントは、「サビで急激に音域が跳ね上がらない曲」や「地声と裏声を行き来するフレーズが多い曲」です。換声点をスムーズに繋ぐ練習に最適です。
| 曲名 | アーティスト名 | 練習に適している理由 |
|---|---|---|
| 楓 | スピッツ | 全体的に音域がそれほど高くなく、メロディが滑らか。柔らかいミックスボイスで、一音一音を丁寧に繋ぐ練習に最適。 |
| ひまわりの約束 | 秦 基博 | Aメロ・Bメロからサビにかけて、徐々に音程が上がっていく構成。換声点付近の音域を丁寧になぞる練習ができる。 |
| Pretender | Official髭男dism | (難易度高め)最高音は非常に高いが、AメロやBメロにはミックスボイスで優しく歌う部分が多い。地声とミックスを切り替える良い練習になる。原曲キーで歌う必要はない。 |
| ワタリドリ | [Alexandros] | 軽やかでスピーディーなミックスボイスの練習に。力まずに声を前に飛ばす感覚を養うことができる。 |
| Beautiful | Superfly | 女性向けの練習曲。サビで力強くも伸びやかなミックスボイスが求められる。地声の支えを意識しながら歌う練習に。 |
| サクラ色 | アンジェラ・アキ | ピアノの弾き語り曲であり、メロディが丁寧。ファルセット(裏声)とミックスボイスを使い分ける表現の練習に適している。 |
練習の際の注意点
これらの曲を練習する際は、必ず自分のキーに合った高さに設定してください。カラオケのキー調整機能などを活用し、無理なく歌える範囲から始めることが鉄則です。原曲キーで歌うことが目的ではなく、あくまでミックスボイスを安定させることが目的であることを忘れないでください。
また、一曲通して歌う練習だけでなく、上手く歌えない特定のフレーズだけを抜き出して、繰り返し練習する「部分練習」が非常に効果的です。自分の苦手な音域やメロディのパターンを把握し、集中的に克服していきましょう。
正しいミックスボイスの出し方【まとめ】
- ミックスボイスは地声と裏声が混ざった中間の声
- 習得には腹式呼吸、声帯閉鎖、鼻腔共鳴の3要素が不可欠
- まずは喉をリラックスさせることが全ての基本
- 地声で高音を出そうとする「張り上げ」の癖を捨てる
- 裏声(ファルセット)を安定して出せるように練習する
- ハミングやリップロールで息の安定と共鳴の感覚を養う
- 声帯を閉じる感覚はエッジボイスで掴む
- あくびのように喉の奥を大きく開く意識を持つ
- 響かせる場所は胸や喉から鼻や頭へと移動させる
- 気持ち悪い声になるのは声帯閉鎖や共鳴のバランスが悪い証拠
- 自分の声を録音して客観的に分析する習慣をつける
- 男性は換声点の克服、女性は地声の強化が課題になりやすい
- 声変わり中は無理せず基礎練習に徹する
- お手本となる歌手を見つけて歌い方を研究する
- 練習曲は自分のキーに合わせて無理なく歌えるものを選ぶ



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